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塾が反復学習の機能を果たす

小須田

小須田

勉強が苦手な子に基礎を定着させる方法

勉強が苦手な生徒は、その多くが基礎の定着に原因があります。
この結論は多くの教育者の方が納得していただけるのではないでしょうか。

私は、受験期に入った特にモチベーションが無い生徒に対し、どうしたら生徒自身の苦手意識を排除し、勉強に向き合えるかを考えてきました。

対策としては、以下の2通り考えられます。

  1. モチベーションをあげられるような生徒との対話
  2. 実際の授業内容の組み立て

モチベーションをあげる対話に関しては、それぞれの生徒との関わり方、スタンスによって無数の方法があると思い、割愛します。

2の授業内容の組み立てについて、上手くいった例をあげてみます。

生徒の成功体験を一週間で2回作る

私の主観的な考察が大いに入っているため、効果が有効であるという科学的な根拠や裏付けはありません。

あくまでも、試行錯誤の一環としてのメモ書きです。

結論から言うと、最初の4回の授業は、本人の本当に苦手な部分を徹底して繰り返し正解まで導くことです。
注意点としては、同じ内容を教えることになりますが、講師側が負けないことです。

生徒も講師と授業を品定めしている

生徒も大人になってきている真っ最中です。私は生徒から評価される立場だと言うことを常に肝に銘じています。お互いに絶対の上下関係などなく、目線を合わせた会話がモットーです。
ですから、生徒が「この先生では上達しない、やっても無駄だ」と思わせる事が一番問題だと思います。
それは例えば、出す問題の難易度や解説の仕方が顕著です。
勉強が苦手な子は、学校で嫌というほどそこでダメージをおって、努力をする前に鉛筆を置いてしまっているのだと思います。
だからこそ、最初の見極めが肝心です。
「受け持つ生徒の最初のハードルはどんな問題が相応しく、達成したときに喜べるだろうか。」
と、最初の授業の内容を考えます。

基礎の抜けで理解力が下がっているだけかも

多くの場合、中3生に「正負の数」や「百分率」、「分数」を教えることになります。
受験の厳しさを考えると、中3の春でも心配になる講師は多いと思います。
ですが、あえて焦らずに授業をしてみました。

2週間、計4回の授業を経て、本人の口から「授業でやっている事が分かるようになってきた!」と言ってもらえる機会が増えました。

実は、彼らは新しい内容がわからないのではなく、実は小学生の内容が関わるあらゆる計算がブラックボックスになり、出された答えに納得が出来ないだけだったのかもしれません。

生徒のつまずきに気づく

少人数だからこそ出来ることですが、問題を解かせていると、明らかに生徒が頭を抱えるときが来ます。
黒板に描いてあることをそのとおりに活用するだけだとしてもです。

例えば、移項する際の符号の逆転や分配法則が正しく計算できていない場合です。
勉強が苦手な生徒は、それをケアレスミスなのか、自分が理解できていないのか判断できないのです。
そこを上手に切り上げて、本人に再び教えます。ここは学校や大手塾では構造上できないケアでしょう。

講師側が忍耐強く待つこと

私も昔は「can」が分からない中2生だったわけで、だんだんと遅れを取っていく気持ちが分かります。
もっと高度な事を教えたいというのが講師の性かもしれません。私もより楽しく感じる傾向にはあります。
しかし、そこはグッと堪えました。
2回目でスッポ抜けてしまう生徒もいるでしょう。ですが、彼らはそもそも反復学習が身についていないはずです。
だからこそ、塾に通う事自体が1サイクルとして、反復学習の機能を果たすのです。
家でやらずとも塾で同じことを3,4回も繰り返すと、公立中学校の内容程度なら誰でも出来るようになります。
そうして、3週間後には、塾で最低4回は成功体験を繰り返した事で、自由に使いこなせる喜びを感じてくれます。

それ以降、計算の基礎が固まることで、方程式の内容や1次関数に入っていくわけですが、
生徒が本当に嬉しそうに方程式を解けるようになってきて、私も最高に達成感を感じました。